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2011-07-08

玉圓尼の厨子 その4

~続き

祖父が買おうとした土地は、場所、広さ的に申し分ないものであった。
また、何故かこの一角だけがこの界隈の他の土地より安かったのも魅力だった。

不動産屋さんが言うには、この土地は昔から「鬼家(おやや)の地」と昔から言われ、
あまり買い手がいなかったという。
もし、この土地を提示した値段で買うのなら、この厨子も管理して欲しい。
それが条件だと言われた。その厨子こそ玉圓尼の厨子であった。

こうして1年毎の持ち回りで各家で祀られていた厨子は我が家に落ち着くことになった。




…とまぁこんな感じの伝来である。次に厨子の中身について紹介しようと思うが、
その前にもう少し伝来について父から聞いた話を二つ付け加えておく。

一つは、この厨子は祖父の手元に来てから、一度行方不明になったということだ。
昔、家に泥棒が入ったことがあり、着物やお金が沢山盗まれた事があった。
(確か祖父の話だと二回泥棒が入ったとか)
その時、この大き目の厨子も中身を出され、収納ケース代わりに盗られてしまった。

放り出された中身の中に、厨子の内貼りの残り裂もあった。

それから数十年が経過する。

昔から骨董品が好きであった父は、よく通っていた骨董店で空っぽの古い厨子を発見する。
一目見て気に入り、厨子の中を見せてもらったら、どこか見覚えのある裂地が内側に
貼ってあった。そう、昔盗まれた厨子が偶然に再会することになったのだ。
厨子を購入し祖父に見せたら、間違いなく盗まれた厨子であった。


続く~
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プロフィール

紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾

Author:紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾
名古屋市内で呉服中心で古美術も扱っているお店をやっています。

主に趣味のお寺と神社の参拝を中心としたブログです。

◆紅葉屋呉服店
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