もみじの記録帳
古き良きものや、日々の気付き、思ったことを気ままに記録しています。
黄檗山の版木 最終回
続き〜
小学生の時、夏休みかにかで父と訪れた萬福寺。版木が収められた建物の中に、名物坊主がいた。名前は忘れたが、当時、版木を見学している時、若い男女が泣きながらこっちに歩いてきた。何事かと歩いてきた方を見ると、奥の方に、暗い中お経刷り続ける怖そうな坊主がいた。首にはピンポン玉くらいある大きく長い数珠を下げ、黙々と刷っている。父と私に目が合うと「こっちに来い」と手招きしている。

怖かったのと、遠い記憶なので話の内容は殆ど覚えていないが、近くに寄るなりいきなり怒られたのはハッキリ覚えている。「人の話を聞く時は正座しろ」だったか

父との会話で印象に残っている言葉は「おまえは重すぎる。肩の荷を降ろせ」だった。禅宗には問答というものがある。師が弟子に難しい質問をし、弟子がそれに瞬時に答える。時には考え苦悩し閃く。違っているかもしれないがある種の「気付きと行動」を実践していると思う。この時のやり取りもこれに近いものだった。ただ、こちらは一般人なので少々分かりやすくしてくれていたとは思う。

この坊主、後で聞いたら有名な方だった。寺には殆ど顔を出さず生涯版木を刷り続けたそうだ。観光客が来ると、厳しくも暖かい言葉を相手に合わせて的確に述べる。前述の男女も泣くほどの衝撃を受けたのだろう。それが感動だったのかどうかはわからないけど・・・。

鉄眼しかり、この方しかり、またこのブログでも紹介した岐阜の大仏の発案者・・・。黄檗山(黄檗宗)にはとんでもない偉人がいるなと思った。

おしまい


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