2018-01-31

◆犬神様について考える ~第6回 鉄と糸~

岡崎市の外れ、隣の安城市に近い所に創立年代不詳の神社がある。


酒人神社だ。

酒人神社2



酒人神社1


社歴によれば、6世紀頃に様々な技術と共に渡来した「阿知使王」の子孫、酒人親王を祭っている神社だ。他に食物の神とあるので保食神も祭られているのかもしれない。国内で初めて清酒を醸造したのが酒人親王という伝承があるらしい。


この社歴から気になる言葉を挙げてみると・・・


①鍛冶の技術をもった神様

②織物にも長けていた神様

③朝廷の支配が全国規模になった時に、この地に移り住んだ神様



という三つになった。


酒人神社3


糟目犬頭神社と同じ岡崎市であるし、豊川市にある犬頭神社の伝承、「絹糸の技術」があることから、やはりこの酒人神社も他の犬の字がつく神社と関係があると睨んだ。


第二回のブログで、気になった個所に「糟目」という言葉を選んだ。糟目犬頭神社の「糟目(かすめ)」であるが、この糟という字を調べてみると、このような意味があるようだ。


[名]

1 液体をこしたあとに残るもの。液体を入れた容器の底に沈殿したりしたもの。おり。

2 よい所、必要な部分を取り去ったあとの残り。「食べ―」

3 役に立たないつまらないもの。最も下等なもの。くず。「人間の―」

4 (糟・粕)酒のもろみを醸 (かも) し、酒汁をこしたあとに残るもの。酒かす。



酒粕という意味もあるが、糟という文字からは酒粕ではないように思う。1と4の意味を省くと、残された意味は酷いものとなる。糟目犬頭神社の御祭神、犬頭大明神を罵倒する言葉が糟目なのだ。


そして「目」という文字は、この神が製鉄の技術をもった神であるということを意味しているように思う。

 
古代の製鉄を生業としている神々に共通しているのが、「目」という文字が入っていたり、そんな製鉄の神をまつる神社の周辺の民話には、「片目」「片足」「片葉」といったキーワードが残るものが多い。


何故かと言うと、鉄を溶かす溶鉱炉の、鉄の溶け具合を見る時に片目で見たり、溶鉱炉に空気を送る際、大型のふいご(蹈鞴:たたら)を踏み込むが、この時に片足で踏むことで、片方の目や足を痛めてしまうのである。職業病というやつだ。


犬頭大明神は何者かによって差別的な名前を付けられたのである。


酒人神社の社歴を読むに、この酒人神社の神様は他所から来たとある。


元々のこの地域にいた神様が、侵略した新勢力と戦争になり、負けてしまったのでは?と思える。


次回は三河地方に残る「犬」の神社の纏めの回とします。





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2018-01-26

◆犬神様を考える 第5回  ~昔話 犬頭糸~

大蛇と犬の昔話と、もう一つ気になった昔話がある。「犬頭糸」と呼ばれる昔話だ。

こちらは豊川市にある古社「犬頭神社」に残る、ちょっと変わった昔話だ。

豊川市 犬頭神社1


◎千両の犬頭糸

ずっとむかし、千両の村に役人がいました。
役人には、それはそれは働き者の綺麗なお嫁さんがいた。


ある日、朝早く、お嫁さんは、いつものように蚕に桑をやりに行きました。ところがどうしたことか、蚕は全部死んでいました。


「これは たいへんだ。 どうしましょう。」


お嫁さんはびっくりして、役人の所へ飛んで行きました。


「なに、蚕が死んだ? おまえは良く働くと評判だが、それをよいことに、陰ではなまけていたのだろう。」


役人は大変怒り、家から出て行ってしまいました。 お嫁さんは一人ぼっちになり、毎日悲しんでいました。 


飼っていた犬も、元気がなくなっていきました。


3年目の夏の日。 お嫁さんは、朝早く、裏の畑でぼんやりと桑の木を眺めていました。 


すると、「バリバリ! バリバリ!」 という音が聞こえてきました。


「おや、何かしら。」


お嫁さんが近付いてみると、1匹の大きな蚕が桑を食べているのでした。 喜んだお嫁さんは、その蚕を大事に大事に育てました。
 

ところが、ある日のこと。驚いたことに、お嫁さんが大事にしていた蚕を、犬が食べてしまったのです。
 

「ああ!蚕一匹飼うこともできないなんて。」


お嫁さんは、あまりの情けなさに泣き出してしまいました。 犬は何も知らず、ただ鼻を クン クン ならしているだけです。


お嫁さんは、そんな犬を見ても、やさしく頭をなでてやりました。


するとどうしたことか、犬の鼻から細い白い糸が2本垂れ下っているではありませんか。 お嫁さんは思わず糸を引っ張りました。 


糸は次から次へと出てきます。 300ほど枠に巻き付けても、まだ出てきます。 竹の竿や桶にまでも巻き付けました。やがて、犬はカ尽きたように死んでしまいました。


「きっと仏さまが助けてくださったにちがいない」


お嫁さんは、桑の木の根元に、犬を丁寧に埋めてやりました。


幾日か過ぎ、お嫁さんの所へ立ち寄った役人は、雪のように白い糸を見てびっくりしました。
 

「こ、これは どうしたことじゃ。」 


お嫁さんはありのままを話しました。
 

「そうだったのか。 仏様がおまえをお守りくださっていたのだ。 放っておいた私が悪かった」


それからというもの、二人はまた幸せに暮らすようになり、家も豊になっていきました。


その後、千両の辺りで作られた糸を、「犬頭の糸」とよぴ、天皇に差し上げるようになりました。千両の犬頭神社は、犬を埋めた桑の木のあった所に、建てられた云うことです。







・・・と言うものだ。


この話もまた奇妙な昔話である。引用元は地元の昔話集からだが、この話の元は今昔物語にあるようだ。


豊川市の犬頭神社の創建は詳しくは分からないが、600年代に建てられたという説もある。式内社であるので、平安時代(927年)には既に存在していた神社であるから相当古い神社だ。御祀神は保食神(うけもちのかみ)と糸繰姫神だが、古くから犬頭大明神と呼ばれていたと云う。


「千両の犬頭糸」の昔話を読んで気になった点を挙げてみるとこうなった。

①こっちの話には男と女が現れる。

②やはり犬は死ぬ。

③大蛇は出て来ないが、蚕は犬に食われて死ぬ。

④犬の体から絹糸が出るとうことは、死んだ蚕が復活したともとれる

⑤天皇へ献上できるほどの美しい絹糸がこの地域で作られていた。



大蛇と犬の話は伝承通りだと天正年間(戦国時代)の話だが、こっちの話は今昔物語に載っている位だから平安末期には既にあった話だ。時代の隔たりは数百年あるが、これ元になった話は同じで神社創建まで遡りそうな感じがする。


豊川市 犬頭神社2

そして岡崎市の「糟目犬頭神社」と豊川市の「犬頭神社」はどちらも「犬頭大明神」と云われていたので、やはりこちらの神社も同じ時代、同じ神が元々祀られていたように思う。


次回はこの犬頭糸に関連するもう一つの神社について考えたいと思います。


2018-01-25

◆犬神様を考える 第4回  ~遺体を分ける意味~

民話(昔話)と言うものは、その人の受け取り方により変わるものだ。


「でたらめだ。」


で終わればそれまでだし、そのまま全て受け入れるだけでは


「よく分からん話だなぁ」


で終わってしまうこともある。


どんな突拍子もない話でも、その話が何百年も残るというのは意味がある。


当初の歴史そのままが昔話になっていることもあれば、古文書に残っていると言っても、人から人へ伝えられた話はオリジナルから変化していることも十分あり得る。


大蛇と犬の昔話を改めて読み返してみると、斬られた頭と体(尾)を、一か所ではなく別々に祀るというのは何とも疑問であった。


また、いくら忠義を尽くした愛犬とはいえ、墓を作るならともかく神として何か所も祀るというのも引っかかる。


遺体を分ける謎、そして何故犬を神に祀り上げたのか?


それを解く切っ掛けとなったのものが、糟目犬頭神社の境内に残されていた。


岡崎市 犬頭神社2


新田義貞の首塚である。


鎌倉時代~南北朝時代に活躍した有名武人の首塚と伝わる祠が、何故か愛知県岡崎市に在るのだ。


次から次へと謎が出てくるが、新田義貞の謎は本筋から外れると思ったので一先ず置いておくが、この「首塚」という言葉から犬の遺体を分けた理由が見えてきた。


それは、特に戦乱の多かった時代に見受けられるが、歴史上の人物で討たれた方の武人達を祀る塚は「首」だけが多いのだ。


首塚を作る場合、討った側が作る場合と、後に討たれた側が首を奪還し作る場合がある。そして首(塚)と胴(塚)を別々の場所へ祀ることも多いのである。


首と胴を別々に葬る。


これはその時の状況により理由も様々だと思う。例えば自刃した殿様の首を家臣が持ち帰り埋めた場合は首塚だけとなろう。敵陣に残った胴体はその近辺で胴塚となる。


しかし、討った側が頭と胴を両方手元にある場合も遺体は同じ場所へ埋めず、首と胴を離れた位置に祀っていたように思う。


平安時代の話で、関東の英雄「平将門公」は戦場で流れ矢に当たり絶命した。後に逆賊として京都で晒し首となったが、将門公の首はうなりを上げ胴がある関東目掛けて空を飛んだという。


その後(所説あり)、岐阜県の上空を通った際、隼人神に矢で撃ち落とされ、落ちた所が後に御首神社として現存している。


この将門公の昔話で首が空を飛ぶのは大嘘!と言うのは簡単だが、この話から当時の人の考え方が見える。


それは殺された方の首と体を分けないと、いつか復活して殺した方に祟るのではないか?


と言うことだ。反魂の阻止なのである。


この地域に残る複数の犬の名がつく神社。これは犬が復活しないように遺体を分けたのでは?と考えた。


今一つの疑問、何故動物の犬を神として祀るのか?という疑問も、こう解釈すれば納得できる。


それは動物の犬ではなく、犬とされた人間だったのでは?と言うことだ。


そうなるとこうも解釈できる。大蛇も実は人間だったのではないかと・・・。


犬ではなく非業な死を遂げた人間であれば、残った方は神として祀ると思えるのだ。


次回はもう一つの昔話「犬頭糸」について考察します。



南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏・・・

阿弥陀如来


2018-01-24

◆犬神様を考える 第3回  ~大蛇と犬の昔話~

糟目犬頭神社、犬尾神社に関連する昔話、「大蛇と犬」に着目してみた。

それはこのような話である。




◎「大蛇と犬」


天正年間(1573~92)のこと。

領主の宇津左衛門五郎忠茂(以下殿様)が愛犬を連れて狩りに出かけた。

山中に入った所、邪気に当てられ急に眠気に襲われる。

近くの大樹で横になっていたが、突然愛犬が耳元で吠えた。

気分よく寝ていたのを邪魔されたと怒った殿様は、刀を抜くと愛犬の首を切り落としてしまった。

岡崎市 犬頭神社7

勢いよく飛ばされた犬の首は、殿様の頭上に舞い上がり、樹の上に殿様を飲み込もうとしていた大蛇の喉元に食らいついた。

岡崎市 犬頭神社6

驚いた大蛇は地上に落下した所、殿様に斬られて絶命した。

自分を守ろうとした愛犬を、斬り殺してしまった殿様は悔い、愛犬の忠義に心を打たれた。

そして二か所に弔った。

それが糟目犬頭神社と犬尾神社であると云う。




という昔話である。

この愛犬とは白い犬であったらしい。昔話で不思議な力を持っている犬の話はいくつかあるが、白い犬が多いように思う。白い犬には霊力があるのだ。


この殿様はどうも実在した人物のようだ。


「糟目」という地域は現在の上和田町のことで、かつてはこの地に上和田城があり、その城主が宇津左衛門五郎忠茂であったようだ。


最初に彦火火出見尊を祀っていた糟目犬頭神社と犬尾神社。この両社は推定奈良時代に建立されたものだ。しかし、昔話では天正年間に殿様が建てたとある。


これはつまり、最初にあった彦火火出見尊を祀る神社に、数百年後の天正年間に殿様が犬の霊を合祀したとすれば説明がつく。


しかし、ここで疑問なのがなぜ彦火火出見尊に因んだ社名にならず、犬が社名になったかと言うことだ。


これはこの二つの神社が「犬ありき、犬が主でなければならない」という意味があるように思う。


大蛇と犬の昔話。


犬の忠義に驚き、殿様のしでかした事に怒りを感じる話だが、これ長い歴史の間に口伝されていく中で、話が変わっていったように感じた。


この大蛇と犬の話の疑問点はいくつか残る。


まず、このようなパターンの昔話は岡崎市だけではなかった。同じような話は名古屋にもある。他の県にもあるようだ。


そしてこの話の最大の疑問は、何故忠義を尽くした愛犬の亡骸を一か所にせず、弔う神社を二か所にしたか?ということだ。


社名から察するに、犬の体をあえて2か所に分けて弔ったと解釈できるのだ。(頭と尾)


次回はこの昔話をもう少し追及したいと思います。




※画像は昔、糟目犬頭神社の氏子の方に、見せてもらった掛軸。

2018-01-23

◆犬神様を考える 第2回  ~犬頭・犬尾神社~

愛知県の岡崎市・豊川市には「犬」の文字が社名に入る古い神社がある。

岡崎市にある「糟目犬頭神社(かすめけんとうじんじゃ)」と「犬尾神社(けんぴじんじゃ)」。



岡崎市 犬頭神社3
〈糟目犬頭神社(岡崎市)〉

岡崎市 犬尾神社2
〈犬尾神社(岡崎市)〉


豊川市にある「犬頭神社(けんとうじんじゃ)」だ。

豊川市 犬頭神社3


まずはこの三社を調べて見た。



◎社歴について

糟目犬頭神社の社歴を紐解いてみる。


岡崎市 犬頭神社1

701年に糟目(旧名)と呼ばれる場所に建立。水害が多い地域だったため現在地へ移転とある。今から1300年以上前に建てられた古い神社だった。

御祀神は彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)。古事記に出て来る山幸彦のことだ。987年に熊野三所権現を合祀している。素戔嗚尊や伊弉諾尊も祀られているが、特に注目すべき神名は「犬頭霊神」だ。


そして同じく岡崎市にある犬尾神社。


岡崎市 犬尾神社1

こちらの創建も古く、調べて見たら987年(犬頭神社に熊野三所権現が祭られた時期)に創建されたと云う。御祀神も糟目犬頭神社と同じ彦火火出見尊。熊野三所権現や伊弉諾尊、素戔嗚尊も同じだ。犬頭大明神という神もいた。


犬頭霊神と犬頭大明神は同じ神だと思う。


この二つの神社は一説には同時期に創建されたというものもある。それを裏付けるような「大蛇と犬の昔話」も残っている。


そしてこの昔話が謎を解く鍵だと個人的には思う。


また、豊川市の犬頭神社には「大蛇と犬」の昔話は無いが、岡崎市の二社にはない「犬頭糸」という不思議な昔話が残っている。


ここまでで気になったキーワードを挙げてみよう。


①犬頭大明神

②昔話「大蛇と犬」

③昔話「犬頭糸」

④「糟目」とは?



少し紐解くだけで気になるものが次々と出て来るが、特に重要視したいのが②と③、二つの昔話である。


次回はこの昔話に着目致します。



※追記

詳しい所在地は忘れたが、岡崎市にはもう一つ犬の名がつく神社があった。

この神社、なぜか建物が壊され、石垣部分(土台)しか残っておらず、現在は公園になっていた。石垣中央部に犬が丸く寝ているような石があり、それを触ると高熱が出ると聞いた。

この神社も上記3つの神社と関係があると思う。
2018-01-19

◆犬神様を考える 第1回  ~犬神とは何か?~

「犬神」という言葉を聞いて、昔の邦画で金田一耕助の「犬神家の一族」というのを思い出したが、そもそも犬神とは何を指すのかを調べてみた。

 
関連しそうなものが二つあったので、まずはそちらから追ってみた。


◎「犬神」


主に中国地方西南部、四国、九州の一部に伝わる祀られた犬の霊のこと。富を齎す神でもあり、呪詛に使われると祟る神にもなる。


四国は〇〇県の、山間部にある小さな集落に伝わる「〇〇〇〇流」に関係があるようだ。


昔、NHKの特番で観たが、「〇〇〇〇流」とは神道と陰陽道の合わさった独特の教えで、その集落では、神がいることは当たり前という感じで皆過ごし、太夫と呼ばれる神職の人が未だに生活に密着している。番組からは古い時代の日本が垣間見えた。


この場合の犬とは、動物の犬のことである。犬神に至るプロセスが調べて分かったが大変酷い、気味の悪いものだった。


①まず、生きた犬を首だけ出して土に埋める。

②そのまま放置して犬が飢餓状態になるのを待つ。

③餓死寸前の頃合いに犬の大好物を、届きそうで届かない所に置く

④犬は怒り・狂気の様相で吠えまくる。その時に一気に首を切り落とす。飛んだ首は食べ物に食らいつくという。

⑤その後、首を〇〇〇ものを〇〇に入れて、人の〇〇が〇〇にある〇に〇〇〇埋める。

⑥しばらくして掘り出し、家の奥座敷の祭壇に安置し、供物を供えて手厚く祀る。


祀り上げられた犬神はその家の人に憑りつき、犬神を使役する人は富を増やしたり、憎い相手を攻撃することも出来ると云う。


犬神は一度祀り上げると永久に離れることは無く、故に先祖に犬神を祀った形跡がある子孫は、犬神筋とか、犬神持ち、筋持ちと言われ差別されたこともあったようだ。


絶対にやってはいけない外法である。



◎犬卒塔婆(いぬそとうば)

犬とは古くから人の生活に密着した動物だ。犬はお産が軽く、多産で仔犬の育ちも良いことから、安産、子育ての霊力があると考えられた。


古くは中国でも出産前の妊婦が犬を殺して肉を食べ、安産を願ったり、日本でも犬を殺して神に捧げることも行われていた。


犬が道案内をするという昔話も多いが、あの世とこの世を結びつけるということも考えられていたようである。


そんな昔の人達にとっても身近で特別な動物だった犬を供養し、まじないに用いたのが犬卒塔婆だ。


卒塔婆とは木製の板で、施餓鬼供養とかお墓で見かけるが、犬卒塔婆はあれと違うのは、板ではなくY字型の雑木の棒を使う。


そして側面を一部削り平にし、「如是畜生発菩提」といった経文を書き、それを村境の路傍や川の岸辺、あるいは墓場の入り口に立てて祀る(あの世とこの世の境)。


犬卒塔婆を立てる目的は、まず犬が死んだ時の供養が背景にあった。また、難産の母犬が死んだ時、人の安産祈願の時、※子安講の縁日の時に立てられたようである。


※子安講・・・安産祈願のためお母さん方が集まり、子宝の御利益をもつ神仏に祈るもの


代表的な犬に関係する神や神事に行き着いたが、今回テーマで取り上げる愛知県の犬に纏わる神社は、この二つとは関係がないと思う。四国や中国地方とは遠く離れた中部地方であるし、民間の儀式的なものでもない。


社名に「犬」の字が入っている、犬に関係した神なのだ。次回は犬の神社に着目します。




狛犬3
※大谷寺(福井県)の狛犬 ブログの内容とは無関係です。



紅葉屋呉服店はこちら
2018-01-18

◆犬神様を考える  ~はじめに~ 

2018年最初の投稿です。

戌年ということもあり、本年最初のブログテーマは「犬神」について考えてみたいと思います。

およそ、神社と言えば全国に宗教法人になっているもので8万社あると言われている。実際の数は見当がつかないがもっと多いのだろう。

そんな神社で祀られる神様も様々で、大変多くの神々がいらっしゃるが、大きくグループ分けできる。



①天津神を祀る神社(伊勢神宮など)

②国津神を祀る神社(椿大社など)

③陰陽道系の神々を祀る神社(津島神社など)

④仏教の仏様を祀る神社(天河神社など)

⑤歴史上の実在した人物が神となる神社(豊国神社など)

⑥その地方にしか確認できない神を祀る神社



中には山や岩などの自然が御神体となる場合もあるが、私達が普段よく見かける神社は、だいたいこの6つに分類出来ると思う。


今回取り上げる神社はどれも愛知県に実在する神社だが、共通しているのが「犬」に纏わると言うこと。


岡崎市にある「糟目犬頭神社」と「犬尾神社」。

豊川市にある「犬頭神社」。

そして名古屋市にある「伊奴神社」である。


そして色々と調べた結果、上記の分類でいえば⑥にあたる、「その地元にしか祀られていない神様」であると結論した。


最近では神社でお参りする際は「お願い事をしない」という方が増えたと思う。


この意見はほぼ賛成だ。


ただ、個人的には「神様には絶対にお願いしたら駄目」とはなかなか言い切れない。


なぜなら以下二つの条件がクリアしていればしても良いと思うからだ。


一つは神様を信じ、その信じる神社の神様とお参りする人間の関係性、仲良し具合。

二つ目は、祀られている神が、一体どんな神様なのかを調べ知ること。


これは歴史を根気よく紐解くことで分かるが、当初祀られている神が長い歴史の中で、人の都合で全然違う神様に変わることがあるからだ。(調べた結果、表向きは有名な神様でも、実は恐るべき祟り神だったということも) 


特に上記神社の分類で言えば、③と⑥が特に不明瞭になっていることが多い。


今回のテーマは⑥、古い歴史はあれど、現在ではよく分からなくなっている、その地域にしかない神様、「犬神」に着目し調べたいと思います。

狛犬2

※画像は鳳来寺(愛知県)の狛犬




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プロフィール

紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾

Author:紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾
名古屋市内で呉服中心で古美術も扱っているお店をやっています。

主に趣味のお寺と神社の参拝を中心としたブログです。

◆紅葉屋呉服店
momijiyagohukuten.com

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