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2013-01-24

痔神大明神

三重県の津観音にお参りに行く途中、23号線を走っていた時だった。
車中から、「えっ?」と目を奪われたものがあった。

それは「痔神大明神」とかすれた文字が大きく書かれた看板だった。

痔神大明神④

車を止め、神社に向う事にした。
看板の近くに石柱があった。

痔神大明神⑤

この石柱は大正15年に建立とあった。

看板の矢印を頼りに進むと、小さな森が見えた。
痔神大明神①

神社の境内にはこの神様の名前や社歴のようなものは無い。謎の神様だ。
帰宅後に調べてみたが、起源は不明であり、その由来も様々で特定できていないようだ。

ただ、何故神様の名前に「痔」がついているのかを伺わせる話はあった。
それによると、

明治40年頃、45センチ位の小さな祠があった。
大正の末頃に痔を患った女性がこの神社の霊験により治癒し、
女性はそのお礼に大きな社を奉納した

…というものが出て来た。何でも現在の社は4代目で、
小さな神社にも関わらず、近隣の県からも参拝者が多く訪れるらしい。
4月3日の祭礼は列をなして参拝するそうだ。

痔神大明神②

神様の本当の名前は分からなかった。現在の名は大正末にあった霊験談から
付けられたようだったが、これも確定ではないようだ。
この話を聞いてもどうも納得がいかない。女性がそういう話を他にもらすとは思えない。

神社の参拝を終え、車に乗り込んだ時、神社の前に公園に気が向いた。
神社の近くにある公園は、元々神域であったことが多いからだ。

念の為と思い、公園の名前を見た。

痔神大明神⑥

公園の名前は「白塚団地北公園」であった。
これは発見だ。どうもこの神社のある地区を白塚地区と言うそうだ。

町名に「塚」が付く地域は、古墳がある、もしくは嘗てはあったという事が多い。

神社の境内にはそれらしい土を盛ったような趾は無かったが、
神社の前の公園に妙な土盛りがあった。

痔神大明神③

滑り台になっているが、何か気になる。
園内を見渡せば、もう少し低い土盛りもあった。

痔神大明神⑦

公園の遊具については詳しくないが、素人考えだと、
足付の滑り台を設置するのと、土を盛って滑り台を設置する際の
費用を考えた場合、後者のが高いのでは?と思う。

公園にあった土盛りは、ひょっとすると白塚の由来となった古墳ではないのだろうか?
となれば、あの神社はこの土地に所縁のある土地神さまと言う事になる。

土地神は「地神」とも言うので、これが何時の間にか「痔神」になったのではと思う。

しかし、もしこれが古墳だとすると、滑り台で遊んだ人は痔が治る所か悪化するかもしれません。


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2013-01-08

禅定寺

京都の南山城にある古刹、禅定寺に行って来た。
京都と行っても二キロほど行けば滋賀県の大津。県境は山だ。

このお寺は、山の麓にある何とも風情のある古寺である。

禅定寺1


禅定寺8

こういう風景の中にあるお寺は良い。どこかホッとする。

禅定寺2

仁王門を潜ると五輪塔があった。

禅定寺4

町の指定文化財になっている五輪塔は今から約700年近く前のもの。

次に目に入ったのは辨財天社だった。

禅定寺5

小さな社だったが存在感があった。まるで本堂を守るかのように鎮座している。

このお寺には平安時代の仏像が数体ある。
どれも素晴らしいが、御本尊の11面観音が凄い。
像高286センチで京都では最大級の11面観音だ。

このお寺、仏像を拝観することも大きな魅力だが、
他にも面白いものがある。

禅定寺3

本堂の屋根だ。
禅定寺7

このお寺は再訪であったが、前回来た時は気付かなかったものが、
屋根に所々ある白い物である。

気になったので聞いてみたら、アワビの貝殻とのこと。
何でもこの辺りの風習で魔除けと言う意味があるらしい。

昔読んだ本の中に、東北のとある地方にある鬼の面や、
台所に祀る竈神(かまどがみ)の面の目の部分にアワビの貝殻を使うことがあるのを
思い出した。目玉というより目全体を貝殻で作るのだ。

そうすると、この屋根に取り付ける貝殻は「鬼の目」という意味が出て来る。
何故、屋根に鬼の目を取りつけるのかと考えた時、真っ先に浮かんだのは鬼瓦だ。

瓦の屋根に付ける場合は鬼瓦。「こけら葺き」や「ひわだ葺き」の屋根には
鬼板というものが付けられる。ただどちらも作成し取り付けるとなると手間もお金も
かかることなので、民間ではより手軽な貝殻になったのではないのだろうか。

では何故鬼や竈神の目にアワビの貝殻を使うのか。

思うに、理由は二つ。一つはその形。アワビを横にすると目の様な形になる。
もう一つはギラギラ光るパール質の光は、異様さを際立たせるし、目玉の無い目は、
何処を見ているか分からない、つまり何処にいても見られているという事になりはしないか。

つけ加えるなら火の竈神に水を表す貝を使う事で火と水の関係になるのを
狙ったのかもしれない。

禅定寺の屋根に付けた貝殻は、鬼瓦や鬼板と思って間違いないように思える。

今回の発見で、鬼は寺を守る守護神的な意味合いもあるのだと知りました。

プロフィール

紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾

Author:紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾
名古屋市内で呉服中心で古美術も扱っているお店をやっています。

主に趣味のお寺と神社の参拝を中心としたブログです。

◆紅葉屋呉服店
momijiyagohukuten.com

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