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2010-12-09

広小路の妖怪 『汁粉婆』 最終回

~続き

妖怪『汁粉婆』の正体を考え、探っていく内に一つの結論が出た。

汁粉婆の正体、それは広小路界隈に住んでいる人々が、本来なら
崇め祀らねばならぬ、氏神なのである。
それが忘れられ、放置されたことにより妖怪化してしまったのだ。

名古屋の古代史を調べるにあたり、避けては通れないのが熱田神宮と『尾張族』だ。

熱田神宮と尾張族についてはまだまだ勉強不足なので、ここで詳しく述べる
ことは適わないが、尾張族は現在の愛知県小牧市の方から来ていたのではという説がある。

名古屋市内に散らばる伝説、民間の昔話、町名を拾っていくと、
熱田神宮の神々も元は踏鞴神であったようだ。

尾張族はその昔、現在の地に何処かから鉄を求めて移住してきたのだろう。
その折、元々いた豪族と争いになり尾張族が勝利を収めた。

負けた方は歴史の表舞台から姿を消したのである。

図式としては、

○元々いた名古屋の地を治めていた豪族が、他所から来た豪族と戦争になる。
               
○争いになり、元々いた方が滅ぼされる。
               
○亡くなった方は、手厚く葬られたと予測出来るが、長い長い歴史の中でやがて忘れられる。
               
○ひょっとすると、この亡くなった人物が祀られていた神社等の施設、あるいは古墳等が壊されているかも…。
               
○非業の死を遂げ、祀られた人物は長い時間をかけ『神』となるが、忘れられ放置された時『祟り神』となる。
               
○元々が地元の氏神(になるべき存在)故、祟る時は自らに所縁のある地元民に祟る。


このようにもみじは考えた。汁粉婆の本来の神名は不明である。

自分には、そのような器も能力もないので不可能だが、
歴史上の人物で言えば、空海や最澄といった能力のある偉大な人物が、
汁粉婆に素晴らしい新たな名前を付け、きっちり祀るようになると、
途轍もない福の神になるだろう。

このような、古い昔話は全国に沢山存在する。
いつも思うが、調べれば調べる程、今に生きる私達は数多くの犠牲の上に
成り立っているのだなぁと思います。

おしまい。


※忘れてはならないのは、勝った側が歴史を繋げたからこそ今の自分もいると云うことです。



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2010-12-08

広小路の妖怪 「汁粉婆」 その6

~続き

最後の謎、「何故老婆の姿なのか?」を考えてみる。

仏教でも神道でも、女性の神は綺麗な方が多い。
吉祥天、弁財天、市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)、宮簀媛命(みやすひめのみこと)などなど、
どの皆様も『超』が付く程の美神である。

そうなのだ。※祀られる女神は美しい方が多いのだ。

汁粉婆が女神だと考えるなら、かつては老婆の姿をしていなかったように思える。
それが何らかの理由で老婆の姿になったのであろう。

美しい女神から、老婆の女神に変わったという話がないか記憶を探ってみたら、
東京は浅草にある世界的に有名な観光名所「浅草寺」に祀ってある弁財天を思い出した。

弁財天は、そもそも大変美しい女神であるが、浅草寺境内にある弁財天堂の縁起を読むと、
『白髪弁天』となっていた。弁天様が白髪の老婆の姿なのである。
全国探しても、白髪の弁財天はここだけだと思うが、何故白髪になったのかは不明である。

もみじが考えるに、この浅草の弁財天は過去を振り返ると、祀られていなかった時期があったように思う。
神々の力は、人が大切に祀れば祀る程、信者が多ければ多い程大きくなる。(そんな気がする)
浅草の弁財天は、一時力を無くす寸前まで落ちてしまったのだと思う。
故に若く美しい姿から、白髪の老婆の姿になったのではないのだろうか。

汁粉婆は、本来なら人間から崇められる美しい神であった筈なのに、
長い歴史の中で忘れられた故、老婆の姿に零落していったのだ。

もう少し続く~



※全て把握していないのでこんな表現です。

2010-12-07

広小路の妖怪 「汁粉婆」その5

~続き

順序は逆になるが、まずは謎②について考えてみる。

何故「汁粉」なのかを…。

汁粉と良く似た食べ物に「ぜんざい」というものがある。
関西より西はもっぱら汁粉とは呼ばず、ぜんざいと呼ぶそうだ。
見た目もほぼ同じ。餡のあずきが形が残っているかいないかの違いだ。

実はこのぜんざい、漢字で書くと「善哉」となる。意味は「良きこと」である。

またテレビ番組で知ったが、島根県の方では、ぜんざいを漢字で書く場合、
「善哉」ではなく「神在」と書いてぜんざいと呼んでいるという。
神がそこに在るのである。

「ぜんざい」という食べ物は、元々神に供える食べ物だったのだ。

「汁粉」は「ぜんざい」と同一の食べ物と考えて間違いない。
遭遇する地元の人々に災いを齎す妖怪、「汁粉婆」が何故災いの象徴として汁粉(ぜんざい)
を撒くのかが、これでハッキリした。汁粉婆からすればこの行為はメッセージなのだ。

ぜんざいを撒く行為…。

これ即ち、汁粉婆とは、元々は『善き神』であったのである。


続く~


2010-12-05

広小路の妖怪 「汁粉婆」その4

~続き

よく分からない汁粉婆の正体。調べようにも深く解説してある書物もない。

しかし、特徴から考えるに、おぼろげながら姿が観えてくる。

まず、『見事な塗の椀を差し出す』という事からは、元々は身分の高い存在だったのだろう。
とにかく災厄を浴びせまくる姿からは、かなり怒っていると分かる。

誰か特定の人間に祟るという訳ではなさそうだが、
広小路界隈にしか出没しないことを踏まえると、地元の人間に祟っているようにも観える。

汁粉が掛けられるのは足や目だ。掛けられた目や足は深刻なダメージを被る。
片目や片足になるというのは、古代※踏鞴神(たたらしん)の特徴である。
製鉄を営む人々は職業病として片足や片目を患うからだ。

『指につくと皮膚病になる』『指をさすと皮膚病になる』というのは、さされた方は差別を受けているとも取れる。

『汁粉婆』の話は江戸時代頃に流行したそうだが、本来はもっと古い話のような気がしてきた。

もみじ的には結論が出ているが、まだ謎が二つ残っている。

謎①『何故老婆の姿なのか?』
謎②『何故汁粉なのか?
の二点である。
この二つの謎を次回はもう少し掘り下げてみたい。


続く~



※踏鞴神…鉄に所縁の深い神。古代に於いて力の象徴は鉄を支配していることであった。
     このブログでは度々出てきます。

2010-12-04

広小路の妖怪 「汁粉婆」その3

~続き

よく、道等を歩いていて、突然何かと出会う事を「出くわす」と言うが、
これは「出喰わす」であると思う。行き成り出てきて喰わされるのである。
この言葉の出所は、案外名古屋広小路の「汁粉婆」から来ているかもしれない。

さて、Ⅳの「川にほおかる」という箇所が重要である。

話は変わるが、父が小学生の頃、「ほをかりさん」と言う遊びが流行ったそうだ。
どんな遊びかと言うと、マッチに火を点けた子供数人が一列に並び、後ろ向きに火を投げるというもの。

投げる際に「ほおかりさん、ほおかりさん、ほおかりさんで、ほおかろみゃあー」
と発し、最も遠くに飛ばした者が勝ちとなる。

ボヤを出したので学校で禁止となったが、子供にとって人気のあった遊びで、
ボヤ以後は、当時近所にあった防空壕の中で行われたそうである。

「ほおり投げる」は「放り投げる」つまり遠くに投げるという意味だが、調べるに
「ほおり」とはどうも古事記に於ける「火遠理」、つまり山幸彦こと「火遠理命(ほおりのみこと)」
別名「天津日高日子穂穂手身命(あまつひこほほでみのみこと)」のことを指している。


名古屋弁は古事記の古代語の面影が残ると言える。

火遠理命は綿津見神(わたつみしん)の娘、豊玉姫(とよたまひめ)と結婚し
「天津日高日子穂穂手身命」となった。本来持っていた「火」の力と、奥さんの持つ
「水」の力を得て偉大な力を得たと云う。

これを踏まえて、汁粉婆と遭遇した対処法Ⅳ『水にほおかる』は、
火と水の力で対処するということになる。

もしくは、「汁粉婆」の性質が火の性質なのかも知れない…。


次回は汁粉婆の特徴を考えてみる。


続く~



2010-12-03

広小路の妖怪 「汁粉婆」 その2

~続き

前回述べた特徴に、一つ忘れたことがあったので、まずは追記する。

⑩頭に※標縄をしている。

一つ一つ検証する前に、もしこれをお読みのあなた様が、
夜中の広小路通で汁粉婆と遭遇した時の為に、対処法を記しておく。

■汁粉婆と遭遇した際の対処法
もし汁粉婆と出会ってしまったら…。

Ⅰ 声を出さずに頭を下げる。

Ⅱ ゆっくり回って後手を差し出し、椀を受け取る。

Ⅲ 汁粉を零さぬよう、頭を下げて堀川目掛けてひたすら歩く。
  ※振り向けば一巻の終わり。

Ⅳ 堀川の橋まで来たら、橋の中程で後ろ向きで「ほうかる」のである。



とまぁ、このような方法で回避出来ると云う。

Ⅰの『声を出さずに頭を下げる』とは、声とは言葉、言霊を発しないという解釈か。
頭を下げるのは敬服するということであろう。

Ⅱは「後ろ手の所作」である。古くは古事記にも書かれている呪術的行為だ。
これはつまり、直視しないことで呪いを避けるという意味があると思う。
  
Ⅲの「振り向くと何かが起こる」というのは、相手との約束事である。
昔話によく出てくるパターンだ。助かりたくば約束を守れという事だ。
この箇所から、汁粉婆は只単に酷い妖怪ではないことを物語っている。

Ⅳについては少々長くなりそうなので次回へ持ち越します。


続く~


※標縄(しめなわ)…神社の入り口で良く目にする、長い紐状のものが注連縄。
          くるっと輪の状態になったものが標縄だそうです。
 

  
2010-12-02

広小路の妖怪 「汁粉婆」 その1

名古屋市の中心部に「広小路通(ひろこうじどおり)」という広い道がある。
最近、嘗てこの広小路通に妖怪が出たことがあると知った。

時は江戸、広小路通に一体の妖怪が出ると噂になった。
その妖怪の名は「汁粉婆(しるこばばあ)」と云う。

遭遇したら最後、祟られて憤死するという恐ろしい妖怪だ。

話の中身はこんな感じだ。

■妖怪「汁粉婆」の特徴

①辻や辻奥から突然出てくる。

②「汁粉、いらんきゃーも」と皺だらけの痩せた手で、
  見事な塗りの椀を差し出す。

③汁粉婆に遭遇したら最後、無理やり汁粉を喰わされる。

④喰わされたら最後三日で命を落とす。

⑤返事をしても祟りまくる。

⑥思わず後退りし逃げる気配を見せようものなら、
 汁粉が「ピシャッ」と飛んでくる。

⑦飛沫が目に入ろうものなら、片目は失明する。

⑧足に付けば片足を大怪我する。

⑨手に付けば、(あるいは指をさせば)指も差せぬ皮膚病となる。


とまあ、こんな感じの老婆の妖怪である。

遭遇したら最後、対処法を知らぬ限り即アウト。
汁粉を喰えば三日で死亡。返事をしただけでも祟られる。
もう、問答無用で人生ボコボコにされるのである。

一体、この妖怪は何者なのであろうか?

今回からこの妖怪を調べてみることにする。


続く~





プロフィール

紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾

Author:紅葉屋呉服店:店主 加藤大幾
名古屋市内で呉服中心で古美術も扱っているお店をやっています。

主に趣味のお寺と神社の参拝を中心としたブログです。

◆紅葉屋呉服店
momijiyagohukuten.com

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